里芋の植え付け【マルチ有&マルチ無】
独立後は小麦・大豆をメインに営農を、と考えていたのですが、どうもどちらとも全滅する可能性が比較的高いようで…
小麦に適した地域というのは出穂時期(5〜6月)に雨が少ない地域ということで、雨の多い日本の中でも、より降水量の多い阿蘇地域は小麦栽培に適してないのです。小麦の成熟時期〜収穫期に雨に当たると、カビが生えてすぐ広がったり、品質が悪くなったり、小麦に実った穂から芽がでて穂発芽という現象が起きたりするようです(こうなると飼料用での買取になるみたい)。
大豆も有機栽培/自然栽培で農薬を使用しないとなると(有機JASでは使用可能な農薬はあります)、カメムシにやられた場合に最悪収量がゼロのことも…
それは昨年の大豆の栽培で体験しました。
仕事で栽培した大豆(フクユタカ)ですが、一つの圃場を有機栽培区画と慣行栽培区画に分けて実験した結果、
枯れて収穫を迎える前の大豆ですが、有機栽培の大豆は鞘があまりついていないです。
対照的に慣行栽培(化学肥料・防虫剤使用)はきちんと鞘がついています。
下の写真は収穫前の有機栽培大豆の写真ですが、収穫できる実が全くない😢
結果、夏に台風の被害を受けたこともあり、カメムシの被害もありで、有機大豆の方は収量がほぼなしでした。むしろ、慣行栽培の大豆を防虫剤で防除したので余計に有機栽培の区画にカメムシが集まったという可能性もあるのかなと😕
有機小麦・有機大豆(私の場合は自然栽培)は全滅の可能性があるとは言われますが、南阿蘇村内で有機大豆、有機小麦を育てていらっしゃる先輩農家さんもいるので、不可能ではない!
とは言えど、収穫できなかった場合の予防線は張っておきたいので、これを作ったら買ってもらえるという品目、里芋と白ネギを研修の一環で栽培させてもらうことに。
もともと里芋と白ネギを選んだ理由は、売れそうだからというより、マルチが必要ないから❗️
できるだけ海外資材に頼らない農業をと考えていたので、通常だと大量に使用するビニールマルチを使用する必要がないというのは、私にとっては十分な理由でした。
里芋はマルチを使用する場合が多いですが、お世話になっている有機農業の先輩農家さんがマルチ無しで栽培されているのをみて、とてもいい案だと感じ、今回やってみることにしました。
その先輩農家さんがマルチ無しでやっている理由は、最初に種芋を管理機でつけた溝に植えて冬までに土寄せしながら栽培する方法をとることで、マルチ有より深く埋まるので掘り出さずに越冬できて、春まで土の中にそのまま置いておけるというものです。
今回は研修ということで、マルチ有・無どちらも挑戦してみます。
まずはマルチ有から。
前作は有機えごまを栽培していた圃場に、村の牛糞堆肥と有機JAS適合資材の鶏糞ペレットを施肥して、マルチを張りました。
マルチの穴を開けた後(30センチと40センチ間隔)、太めの竹を刺して穴を掘ります。
その穴に種芋を入れます。
穴に土を被せて終わり!
約7畝分のマルチ有の植え付けですが、8人で作業したのであっという間に終わりました。
残った時間は、マルチ無の植え付けに。
管理機で溝を掘って、鶏糞ペレットを溝に手で撒いた後に、管理機で土を被せて、種芋を置いた後にまた管理機で土を被せて、という手順で行いました。
足のサイズでだいたい40センチをとって、種芋を置いていきます。
種芋を置いた後に管理機で片側から土を被せていきます。
上の写真が植え付け20日後の写真ですが、マルチ有と無では成長の差が結構あるのがわかります。
さらに植え付けから28日後の成長が下の写真になります。
マルチ無では畝間は中耕して除草したのですが、畝全体は草に埋もれています…💦
マルチ有だと、成長は早いけど土の中での保存性は短い(土中で越冬できない)。マルチ無だと、成長は遅いけど保存性は高い。
植え付けはマルチ無は大変と聞いていたけど、マルチ有の工程で、マルチ張って、マルチに穴開けて、種芋用の穴を掘って、種芋置いて、土を被せる、という労力とあまり変わらないように感じました。
これからは草管理メインになりますが、里芋がある程度成長したら通路は草を残した方がいいとアドバイスをいただいたので、雑草も様子をみて残していこうと思っています。
私たちは南阿蘇という地に力強く深く根を張る樹に、たくさんの希望の果実(ベル)を育てていきたい。
まだまだ小さいけど、一つの希望の果実が実りました。
(希望の果実 / 3つ)